勇気爆発バーンブレイバーン

 監督の好みが乱入してくるアニメ。TBS系28局で放送中、U-NEXT、Hulu、auスマートパスプレミアム等で配信中。

3話までみた。リアルロボットとスーパーヒーローロボットを組み合わせた深夜放送ロボットアニメ。
1990年代のロボットアニメ──勇者シリーズ(1990年~1998年)やエルドランシリーズ(1991年~1994年)の影響が色濃く、トランスフォーマーシリーズ(1985年~)のようでもありまたエヴァンゲリオン(1995年~2013年)やガサラキ(1998年~1999年)の影も見られる。

 監督(1966年~)はアニメータ出身で1980年代後半から活躍、1990年代以降、監督も務める。
後述する2作品を除き、私はその作品群を断片的にしかみたことがないが、パロディ要素が見られ、とくに2000年代の監督作品には彼の好きなものしか登場しない世界という印象があった。趣味が合う者には好かれるが、他にとっては興味の埒外にあり、ともすれば嫌われる。かといって他人の好みを投入したらよくなる保証も無い。
このアニメの前年に発表された同監督作「ガンダム ビルドメタバース」と「境界戦機 極鋼ノ装鬼」でその印象が変わる。しかしそれらはふつうの、一般的な、佳作ではあれど同監督の特徴が後退したロボットアニメになっていた。

 今回は彼を客観視する世界から始まり、そこへ極めて主観的な趣味の塊を投入して、客観的な世界と主観的な存在との軋轢を生じせしめ、せめぎあう。
 主人公は客観する側にいて、主役ロボットに乗れる主人公特権を与えられながら負担を強いられ、ロボット搭乗をためらい避ける。
眼前の窮境に際して逡巡する主人公は疎ましく感じるものだが、この主人公には同情できるからふしぎだ。陰鬱な雰囲気の作品ではないけれども主人公だけは陰鬱である。

 なお同名の栃木県小山市「開運戦士ブレイバーン」Braevurnや洋菓子店ブレイバーンBRAE-BURNも実在しているが関係は悪くないようである。