ガンダムNT (ナラティブ)は蛇足だと思っている。とくに後半。しかし今回その感想を改めるかもしれない。
2018年11月に映画が公開され、現在TV放送向けに四分割されて毎日放送で放送中、データ放送あり。
ガンダムNTはガンダムUCの続編。ガンダムUCは「機動戦士ガンダム」1979~1980を起点とするアニメシリーズのひとつ。
このガンダムというロボットアニメには「ニュータイプ」なる概念がある。おそらく制作スタッフが一種の言い訳として、あるいは何かしらの希望を示したくて組みこんだ概念だと私は思ってる。
けれどもそのニュータイプ論を中心にして物語を作ろうとしても、もとから中身なんてないから着地点が見つからない。ただ具現化されない理念が、永遠に到達できない希望・理想として共有されている。
前作ガンダムUCはそんな話だ。
そのようにしてニュータイプについて一応の決着をつけたのに、あの話を続けるのは蛇足でしかない。とくにNTの後半は戦闘場面を増やさんがために付け加えられたようなもので、蛇足の蛇足だ。
それでもTV放映されるとなるとみているわけだが、前半をみているといいアニメだと思う。
主人公特権・特性を与えられなかった主人公が、真に主人公となるべきだった者を追いかけて追いつけない。ニュータイプを表す映像表現であり、本編から外れたスピンオフとして、補足説明としても成立している。
◆
2022年秋に始まった「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が2023年1月初旬でいったん放送を終え、第二期が始まる4月までのあいだ他のガンダムシリーズが放送されている。いずれも映画で、TV放送用に再編集された「閃光のハサウェイ」「サンダーボルト」そして「ガンダムNT」。ハサウェイには「暇なんだねえ」という台詞があるので、統一地方選がある2023年には意味深長になる。
もちろん私は左派政党への投票を勧めるが、周囲に流されて行動するものではない、というのがこの種のアニメに通底するテーマでもある。
めっきされてないのがいい。ユニコーンモードとデストロイモード選択式だったらもっとよかった。