オーバーロードⅣ


 「オーバーロードⅣ」は独裁者を求める時代へ移った、あるいはそんな時代へ移ったと人々に思わせるよう演出されたアニメ。
一期~三期を経て現在四期放映中。

 四期6話と7話をみた。不死で最強の主人公が異世界で次々侵略をしてゆく、という話。
シリーズ二期か三期の終盤も少しみたことがある。その際の印象は、支配を受け容れて体制に服従するのが賢い生き方、という強者の論理に基づく主張を繰り返すメッセージ性が強いアニメ、だった。

 実のところ好みではないので、ろくにみていなかったが、評論家などと自称するからにはそんなアニメもみてみるかとみた次第である。
そうしてみた四期6話の戦闘場面に、棒立ちのまま攻撃される敵兵がいて、「境界戦機」風味を感じた。

境界戦機は日本を取り戻すアニメ、そして「作者の倫理観が壊れている」「主人公がサイコパス」「ただただ不快」「国辱アニメ」「アニメ未満」とネトウヨから攻撃され続けたアニメ。※第5話に登場する、人身売買を行う悪役の執務室に白い大きな壺(花瓶として使われている)が映っているが、それがネトウヨの癪に障ったかはわからん。
ただ境界戦機とは主人公像が大きく異なる。あちらは態度が弱々しく「日本が大好きなだけなんです」と言い訳しそうな主人公なのに対し、こちらは強者の論理で思考し専制政治・恐怖政治を行う帝国主義的かつ新自由主義的な主人公像である。

 このアニメは異世界ファンタジーであると同時に異世界転生ものでもあるらしく、主人公の行動と思考から、掃滅戦・治安戦をやってきた旧日本軍将兵が転生した話、と思ったら平凡なサラリーマンだそうだ。

ところでこのアニメ、米中両国でも人気とのこと。他にも侵略アニメを好む地域・国があるにちがいない。