古見さんは、コミュ症です。


2022/10発売 [グッズ]/ねんどろいど 古見さんは、コミュ症です。 古見硝子【グッドスマイルカンパニー】 :NEOGDS-539967:ネオウィング Yahoo!店
 「古見(こみ)さんは、コミュ症です。」二期は、自由意思を自ら制限する者が、奇人と変人がうようよいる世界で平穏に生きるアニメだ。
テレビ東京等で放送中。

13話から21話(第二期1話から9話)までみた。 喋ることさえ臆して筆談する女子高校生が友人を増やそうと意気込む話。隣席の男子高校生が超能力者並みに他人の心情を推察できる人間で、彼女をそっと手助けしてゆく。

 隣席の彼はそんな炯眼を持ちながら悪用しない。サイコパスのほうが成功するといわれる市場原理主義及び新自由主義が蔓延する現在、反主流的な人物像だ。新自由主義者は彼を疎ましく思いつつもあの能力があれば他人を出し抜けると思うに違いない。

“コミュ症”とは──
人付き合いを苦手とする症状。またはその症状を持つ人を指す。
留意すべきは──
苦手とするだけで、他人と係わりを持ちたくない、とは思っていないことだ。
と作中、説明される。
そのような類型の人間は、詐欺と宗教・政治団体勧誘にひっかかりやすく、典型的な犠牲者像でもあって、このアニメのように平穏に生きられない場合が多いと考えられる。
 この、彼女を好意的に受け容れる作品世界は理想的な世界でもあり、したがってこれは一種のファンタジーアニメでもある。が、そのファンタジーは実現が求められている理想でもある。

 マンガ的表現が多用されるアニメなのに、ふしぎとうるさく感じない。私がマンガ的表現に馴らされているからなのか、このアニメの演出がうまいのか判別しかねるが、良質な、深夜アニメながら家族でみられるアニメ。長期不況でなかったなら夕食どきに放送されていただろう。2022年6月16日追記:(23話をみて)ダメだった。山井さんも前田くんもダメだった。

 ところで、記事冒頭に記した「自由意思を自ら制限する」という状態があるのか=自由意志が自ら不自由な状態を選択するのかどうか、考えたい。
・自ら不自由を望むことなどありえず、そんな状態になるなら、それは本人の知能が低いか、それが本人の望みだったのだ、と考えられる。
・一方、自ら制限するのは他者に遠慮した結果であり、不自由な状態を選択させられた状態、とも考えられる。

このアニメの原作者およびアニメ制作者は後者の立場のようだ。前者は自由資本主義わけても新自由主義的な解釈で、詐欺にとって好都合な解釈でもあることに注意がいる。

 次回は同じく無口ヒロインアニメの「阿波連さんははかれない」


古見さん鉛筆は場面によって少々変わる。トンボ8900やジャノメ555のようでもあるし、三菱9000やコーリン2020及び3030のようでもあるが、それらのどれでもない。
実写ドラマ版では大人の鉛筆が使われた。